バンザイ バヌアツ バラエティ

自然いっぱいのバヌアツでのボランティア活動の様子を紹介します。

ダウン症の14歳の女生徒への支援

訪問している学校でうれしいことがありました。
知的障害のあるダウン症の8年生(14歳)の女生徒は、手縫いの技術が上達して小さなポーチから始め今は手縫いのスカートに挑戦しています。

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その学校の先生からインクルーシブ教育について興味があると声をかけられました。
8年生は国家試験があり彼女の進級について支援するにはどうしたらいいかということでした。

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筆記試験に及第点をとるのは難しいのは目に見えています。
難読症の生徒のように横で問題文を読んで答えを得るというのもかなり困難です。
私の意見としては、知的障害があるため筆記試験だけで判断するとしたら進級は難しいと思うと伝えることしかできませんでした。
バヌアツでは、すべての子どもを学校へというスローガンのもとインクルーシブ教育を推進していますが、どのように評価するかという点については、まだ未知の分野です。
将来的に試験を廃止するという教育大臣のコメントが新聞に載っていましたが、障害児の評価をどのようにするかも今後の課題となりそうです。
5年生のときの試験の経緯は分かりませんが、通学させたいという母親の熱意が学校を動かしたのかもしれません。
学年末が近いこともありこれまでのまとめとして個別教育計画と併せて意見を書いたのを校長、クラス担任、母親に私に意見として渡しました。

これまで担任の先生も評価したことがなかったようです。というより、評価の方法が分からないと言われました。
声をかけてくれた先生にも渡すととても興味深そうに見ていました。
最後に「学校に通うことでクラスメートが障害のある彼女への理解を深め、地域の一員として将来にわたって良好な関係が築かれる土台となっている」と締めくくりました。
週に1日直接教室に行って担任の先生に了解を得て、教室の横の教員控室を借りて指導をし、終わるとそのまま次の学校へという慌ただしさですが、私の訪問がきっかけとなってインクルーシブ教育に関心をもってもらえればこれほどうれしいことはありません。