バンザイ バヌアツ バラエティ

自然いっぱいのバヌアツでのボランティア活動の様子を紹介します。

最終号

雨季が終わりに近づいたのか朝晩が少し涼しくなった気がするバヌアツですが、日中はハンドタオルが手離せません。

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コロナウィルスの影響で、ボランティア全員の一時帰国が決まりました。
飛行機での移動や経由地での長時間滞在が困難な状況になり、志半ばで活動を中断せざるを得なくなった隊員の心情は複雑なものがあるでしょう。
予定より帰国日が早まりましたが、2年間の活動の締めくくりでもある報告会は無事終えることができました。
配属先での活動報告。

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学校訪問とインクルーシブ教育の推進の活動について紹介しました。
2年間の活動から見えてきた今後の課題をボランティアからの提言というかたちで紹介し、教育省からの参加者にもアイデアを求めることにしました。
インクルーシブ教育の発展のためにどんなことに取り組めばいいのか、ボランティア目線だけでなく現場の人にも考えてもらうことで、より具体的なビジョンが描ければうれしいと思ったからです。
小さな国なので国のサイドでインクルーシブ教育に携わっているのはほんの少人数です。

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後日アンケート結果をまとめてカウンターパートにメールで送ると「ありがとう、役に立つわ」と返事をもらいました。
お別れ会ではにはケーキやプレゼント・昼食も用意されました。

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心のこもったおもてなしを受け感激です。

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併せて離島からの隊員も全員集合して安全講習会が開かれたので、隊員への活動報告会も開かれました。

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ここでは、ボランティア活動についてバヌアツとサモアの2か国を比較しながら述べました。
同じオセアニアの島国ですが、文化・風習など違いがあります。
サモア隊員のその後の活躍や進路について私が知っている情報を伝えました。
若い人は興味津々の様子で聞いてくれました。
教育省や外務省への表敬訪問も終わりました。
ここでは、短時間で活動の概要を英語かビスラマ語で話しました。
若い人はすらすらとビスラマ語で伝えるのでさすがです。
私は原稿を見ながらたどたどしく英語をビスラマ語で訳して伝える冒険もしてみました。
なんとか伝わったようで、ビスラマ語で話してくれてよかったとねぎらいの言葉をかけてもらいました。
高台にある首相府。

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サルワイ首相は選挙活動と暫定首相の兼務で多忙を極めているのでしょうか。
選挙後新しい政権が発足し、バヌアツにとって次の飛躍へ繋がるかどうか、おおいに期待したいと思います。
これまで大洋州の小さな国「バヌアツ」でのボランティア活動をとおして人々の暮らしや自然などを紹介してきました。
人情厚く友好的で陽気なバヌアツ人との触れ合いは一生の宝物になりました。
いいね!やメッセージを送ってくださった方へ。
ヤフーブログからはてなブログに移行したのもあって、その見方も返信の仕方も分からずじまいで、こちらからの一方通行のみでした。
この場でお詫びを申します。
そしてこのブログを訪れてくださった方へ。
最後まで読んでくださってありがとうございました。
今回でバンザイ バヌアツ バラエティは終了です。
機会があれば是非バヌアツを訪れてみてください。

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便利で豊かな日々の暮らしのなかで忘れていた何かが見つかるかもしれません。
それでは、ビスラマ語でさようならを表す言葉で締めくくりたいと思います。
"アレ・タタ”

総選挙

3月19日は4年に1度の総選挙の投票日。
投票間近なこの頃は、トラックにたくさんの人が乗って声をあげ、別の車では大音量で音楽を流したりサイレンを流したりしながらアピールする光景をよく目にします。
選挙用掲示板があるわけではなく、あちこちの家の壁や自動車に貼られています。

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ポスターを貼ったバス。

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写真の大きさもいろいろな選挙ポスター。

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選挙委員会のトップは、選挙を控えて、候補者、政党、支持者に対し、選挙違反となる行為をしないよう呼びかけているという記事が新聞に載っていました。
戦況違反で有罪判決が出た場合、10万バツ以下または5年以下の懲役、またはその両方の罰則が科せられるそうです。
公平な選挙が実施されているか監視するためにフィジーの外務大臣が率いるオブザーバーグループが政府の招へいを受けて到着したとの記事も見ました。

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有権者は出身の島に帰って投票するらしく、当日は朝から多くの人が移動するかもしれません。
近くのコミュニティは同じ島出身者でできており、候補者がマイクで演説をしていました。
正確な有権者数をどのようにして把握しているのか分かりませんが、若者も運動員に迎えて、国民の関心はまずまずのようです。
52議席をめぐって300近い立候補者の熱い戦いが続いています。

3月5日はバヌアツの首長の日(カスタム チーフス デー)

祝日のこの日、海辺の公園から国会議事堂の前の公園まで約1キロのパレードがありました。
先頭を歩いてマイクで沿道の人にアピールを送り続けた代表者の男性。

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続いて島の首長でしょうか。

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昔ながらの衣装の人もいます。
この日のためにトラックに乗ってやって来た歌と伝統的な演奏をする一団。

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男性は炭を顔や体に塗っています。お祝い事の時によく見ます。
パレードに参加する市民。近くの学校の生徒の姿もありました。

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記念行事式典の公園にはすでに来賓が。日本国バヌアツ大使の姿もありました。

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昔ながらのしきたりに則って豚が用意されていました。
足を縛られ、頭部を棒で叩いて気絶させられて奥の方で横たわる黒豚。

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新聞のインタビューに応えたある首長は、今年の祝日は例年とは違って2つの意味があると言っています。
1つ目は、独立40周年の節目の年であること。
2つ目は、後発開発途上国からの脱却を図る年であること。
雨がちのあいにくの天気でしたが、記念すべき国家行事を見学できてラッキーでした。
バヌアツの発展を望んではいるのですが、経済の発展に伴い日本人がなくしてしまった人や地域との結びつきはそのまま残してほしいというのは、他国から来た人間のエゴでしょうか。

最近の新聞記事より

2月13日の記事
私が訪問している学校の14歳の生徒。

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事故のため下半身不随となり長期入院のあと自宅に戻った生徒に、訪問教育をしてほしいとのことで、昨年10月から学校のインクルーシブ教育の担当者が算数と一般教科を教え、私は下半身の血流促進マッサージや下肢の運動を担当しています。
教育省の応援もあり、彼女の通学のために学校と評議会が学校敷地内の通路を改良し、スロープを設け、2月の新学期から登校できるようになりました。

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彼女の母親の「いったんは諦めていた教育の機会が得られたことの喜び」の声や本人の「学校への感謝の気持ちと学校でインクルーシブ教育の提唱がされていることへの感謝の気持ち」も載っていました。
新聞で紹介されたことが一つのきっかけとなって、障害があるために通学のチャンスを奪われてる子どもたちへの次の支援へと広がっていけばいいなあと思います。


2月25日の記事
2月21日にタンナ島で、2015年のサイクロンパムによって被害を受けた学校の再建プロジェクトの記念式典が行われました。

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このプロジェクトは、約5億1500万バツが日本より資金提供され、アジア開発銀行によって管理されています。
この事業に関わった政府、教育省、日本大使館、JICA、建設に当たった中国土木建設公団、設計プロジェクトチームなどが参加しました。

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災害時にコミュニティの避難所にも使える寮も建設されたそうです。
タンナ島には有名なヤスール火山もあり、自然災害のリスクが大きい島の人々にとっても心強い施設となるようです。
プロジェクトの対象となった4校には、非常用電源バックアップや通信システム、雨水貯蔵タンクなどが備えられています。
建設を請け負った中国建設公団には地元のバヌアツ人が120名雇用され、大工仕事、塗装、コンクリート施工などのスキルを磨く機会を得たとも伝えられていました。
日本の資金援助がバヌアツの人々のために息長く有意義に役立ちますように。

新型コロナウィルス

ニュースやSNSなどでバヌアツ人も新型コロナウィルスについて興味を抱いています。
バスに乗ったとき日本人だというと新型コロナウィルスは大丈夫かとか日本のどこに住んでいるんだとか聞かれたこともあります。
<フレイムツリー(和名ホウオウボク) こちらではクリスマスツリーと呼ばれています>

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新型コロナウィルスに関して在バヌアツ日本国大使館から通知がありました。
◎バヌアツに入国する者は「入国者健康申告書」に過去14日間の中国、台湾、香港、マカオの滞在歴、現在の健康状態、バヌアツ滞在中の連絡先等の記入が義務付けられた。
◎呼吸器疾患の症状が見られる者は入国の延期を推奨する。
◎バヌアツ在留者が戻る場合、香港で8時間以上の乗り換えがあったり空港の外へ出た者は、入国するまでの14日間は別の場所で自主検疫しなければならない。
◎もし、到着時呼吸器疾患の症状が認められた場合隔離処置が施される。また、入国が許可された者は14日間保健省による監視の対象となる。
<下から見たフレイムツリー>

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ポートビラの国際空港の近くに隔離施設を用意するという新聞記事を見ました。
また、中国に留学している武漢大学以外の100名あまりの学生の保護者からも不安の声があり、一時帰国を政府に要請したそうです。
<フレイムツリーの花>

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日本のニュースでも新型コロナウィルスの記事を目にしない日はありません。
どこそこの県で感染者が見つかったと詳しく報道されています。
これほど注目されているのは新奇な病気でまだ効果的な治療薬ができていないからでしょう。
医療関係者が言っているように毎年流行するインフルエンザへの備えと変わらないのであるなら、感染に対しそれほど過敏になることはないのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
例年インフルエンザなら都道府県別に感染者数が出る程度でその内訳などについてはあまり報道されません。
きっと高齢者で亡くなられた方も残念ながらいらっしゃるでしょう。
それよりもアメリカ合衆国でインフルエンザが猛威を振るって1万2千人以上の死者を出しているというニュースの方が私には気になります。
先進国のアメリカでどうしてこれだけまん延したのでしょうか?

<黄色い花のフレイムツリーの木を発見>

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これを読んでくださっているあなた、マスコミ報道に振り回されたくないとは思いませんか?

公立学校訪問

先週と今週は家の近くにある学校訪問です。
このクラスには去年教室に入れず特別支援教室で1年間過ごした子がいます。
今年度になって支援の先生が異動のためいなくなりました。
それもあって見に行きましたが、初日からクラスに入って時折笑顔が見られました。

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授業についていくのが少ししんどそうで、孤立することもありましたが、集団で学ぶ楽しさを知ってほしいと思います。


今回は主に授業参観なので幼稚園の様子も見せてもらいました。

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バヌアツでは5歳児クラス(午前11時半まで)と4歳児クラス(12時から2時まで)を時間帯を分けて教えています。
4年生に斜視の子どもがいるというので授業を見に行きました。
担任の先生の配慮もあってか最前列に席があり授業に特に困る様子は見られません。
ただ、数メートル離れた大きい文字を読ませると分からない様子なので、半年に1回ぐらい視力検査をするといいかもしれないと先生に伝えました。
それよりも同じクラスに文字を書くのに時間がかかり、板書の問題の解答までたどり着けない生徒が2名いました。大文字と小文字の区別がつかず逆さ文字も残っています。
まず文字が正しく書けることが重要なので、毎日宿題に出せるドリルプリントを先生に渡しました。
別の学校では炎天下の中、校庭で朝の会。

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うだる暑さでしたがじっと先生の話に耳を傾ける子どもたち。
普段から暑さには慣れているのか、朝の会の途中気分が悪くなるような生徒はいませんでした。
1日同じクラスにいると女子は私の髪を触りたがり、男子は治療後の銀歯に興味津々。
口を開けてとよく言ってきました。
「痛くて病院で治してもらったよ。君たちもよく歯を磨いて痛いようにならないようにね。」と少し脅かすつもりで言いましたが、果たして通じたかどうか・・・こちらでは虫歯はほとんど抜くだけですから。
一部にはインプラント治療もあると聞きましたが、高額なのでなかなか普及しにくいようです。
ある日は、子どものノートのチェックを手伝いました。

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スマイルマークや英語でGood!と書くと嬉しそうです。
元気いっぱいの子どもたちにこちらも元気をもらっています。

お別れ会

新学期が始まりました。
帰国まであまり日数がないので、1週間続けて同じ学校に行くことにしました。
7校のうち1校は生徒が卒業したので対象が6校となり、6週間の活動となります。
第1週目は公立学校より早く始まった私立学校。

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ここでは最後の日にお別れ会を開いてくれました。
大きいケーキとメッセージ、プレゼントが用意されていました。

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後ろにいるのが理事に当たる役割の校長先生の伴侶と娘さん。
こちらではイベントがあるとケーキカットがよく行われます。
校長先生の計らいです。感激でした。

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忙しい合間を縫って集まってくれた支援の先生。

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この学校は障害児がたくさん通っていて支援の先生も多く、学校の親睦会にも招かれるなど最も思い入れがあります。
どの先生も気さくに声をかけてくれ、障害児教育に関する連帯感のようなものも生まれたような気がします。
主に幼稚部と小学1年生のクラスに入っていたので、そこで接した子どもたちの個別指導計画作成に向けての私なりの意見を書いてお世話になった主任の先生に渡しました。
様式はあるのですが、どう書いたらいいのか分からないという意見があったので参考にしてもらえればと思います。
この学校には今年は約1割に当たる50名の障害児が来ているとのことで、インクルーシブ教育の最先端とも言えます。

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公立学校との落差が大きいですが、私学だからこそインクルーシブ教育を目指しているバヌアツにとって一つの指標となるのではないかと思います。
バヌアツ人の先生やスタッフの今後の健闘を祈るばかりです。